やるべきことに集中すれば、時間の価値は無限に高まります。
その方法について考えていきます。
人間は工夫をしないと1時間後には目の前の出来事を約50%忘れ、
24時間後には約70%を忘れ、1ヶ月経つとほとんど記憶に残っていないというような研究結果があります。
本来やるべきことであっても、1時間もすると目の前のことに気を取られ始め、
あっという間に1日が終わっているということはよくあります。
それを防ぐための方法についてご説明して参ります。
集中力を活かすためには、何に集中すべきかを脳が忘れないことがまず大切になります。
人間がとても忘れやすいことを示したエビングハウスの忘却曲線というものがありますので、
まずその内容からご説明して参ります。
エビングハウスの忘却曲線とは?簡単に解説いたします。
ドイツの実験心理学者エビングハウスによると、
人間は工夫をしないと1時間後には目の前の出来事を50%ほど忘れ、
24時間後には約70%を忘れ、1ヶ月経つとほとんど記憶に残っていないと言います。
エビングハウスとは誰?何者なのか?
本名ヘルマン・エビングハウス氏は心理学者で1850年生誕~1909年に59歳で亡くなっています。ドイツの前身、プロイセン王国出身です。
人間がいかに物忘れが多いのかを実証した「忘却曲線」と、それを踏まえていかに学んでいけばよいかを実証した「学習曲線」と反復学習の重要性を説いた学者として知られています。
忘却曲線の意味
これは少しわかりづらいグラフなのですが、
エビングハウスは次のような研究結果を元にグラフを示しました。
とある無意味なものを覚え、
それを再び覚えなおすときにかかる時間をどれだけ短縮できるかを”節約率”という言葉で表現しています。
20分後に復習すると、約4割の時間で覚えることができる。
1時間後に復習すると、約半分の時間で覚えることができた。
1日後に復習する、約65%の時間で覚えることができき、
1ヶ月後に復習すると、初めてやるのと差は2割以下だった。
つまり、最初に頑張って覚えよう、やり遂げようと決めたことであっても、
短期間に複数回の覚えなおしをしないと、
やるべきことを人間の脳は記憶に刻み込むことができないということを証明しています。
忘却曲線から考える人間の脳のクセ
人間の脳は最高のスーパーコンピューターです。
ただし、働き方に特徴があり、
そのクセを知っておくことは事業改善速度を上げるとき、非常に重要になります。
放っておくと目の前のことばかりやってしまう。
人間の脳は、その98.8%がチンパンジーとほぼ同じと言われています。
つまり、動物的に目の前のことだけ対処する仕組みがそのほとんどを占めているということです。
そのため、本来やるべきことはじっくりと思考を巡らせ、
未来のために改善活動をやるべきだと頭の中ではわかっていても、
目の前の細かなことに気を取られてしまうようにできているのです。
忙しい、あっという間に時間が過ぎる
・・・でもそれは本当に充実しているのでしょうか?
忙しく仕事をしていると、疲れますし、
少しずつでも物事が進むと自然と充実感を感じるように人間の脳は出来ています。
しかし、それは原始時代にバタバタと疲れて寝るのと同じようなものなのです。
本来やるべき仕事とは・・・
バタバタしないで済み、顧客満足を増やすための未来創造業
本来やるべき未来創造をやらず、
忙しいばかりで事業の成長が進まない場合、
この忘却曲線とうまく付き合うことが必要になってきます。
そのため、定期的にやるべきことに視点を戻すことが重要になってきます。
忘れやすい脳に、定期的に何を行うべきか思い出させてやるのです。
そうすることで、脳のしつけができ、
本来やるべき事に最大の効果で取り組むようになっていくのです。
事業の成長速度を最高にする方法
社長の経営力を最大限に発揮するには、
事業の重要課題の解決にフォーカスし続ける集中力が重要です。
重要課題に取り組んでいる時というのは、
目の前のことにバタバタして状態ではなく、
しっかりと事業戦略に沿って未来を見据えて考えを深め、
将来を生み出す活動に専念している状態のことです。