オーナー様の将来を考えたときに、エステサロンは3店舗が一番バランスが良いと考えています。今は1店舗が一番儲かるし安定し安全かも知れません。それでも、晩年のエステオーナーとしての成功を考えると「3店舗化する」ことがベストです。
今日はその理由をご説明していきます。
なぜ3店舗がよいのか、それは一番バランスが良いからです
私ども株式会社PROSではエステ業は3店舗での経営が最もバランスが良いと考えています。それはナゼなのか、 今回は時間管理と販促費などの経費、心理学を活用した経営管理の面からその特徴を見ていきましょう。
時間管理から考えると、人数は多ければ多いほどコスパが良い
最初に、オーナー一人で営業している状態を考えましょう。どんなに忙しくても人間は眠らなければなりませんしプライベートの時間を何年間もとらないこともできません。そのため、お客様への施術役務に割り当てることができる時間には、どうしても上限ができてしまいます。
オーナー一人体制で運営する場合の上限をみてみましょう
弊社が開発したタイムマネジメントツールの日報クラブから多くのエステオーナーの行動を集計すると、365日平均で12時間強を仕事に割り当てていらっしゃるようです。その時間を使ってどのよううな経営ができるのか考えてみましょう。
1.時間の制約
ただし、どれだけ本業に集中するつもりでも、販促企画や仕入先との折衝、事務作業なども自分でやらなければならないので、実際にお客様に役務を提供する時間はその3/4程度になります。これを平均すると9時間程度になります。お客様1名当りに段取り含めて平均2時間の役務提供として、多い日でも1日4〜5名の施術、平均すると3名ほどの施術ができれば上々だと思います。
2.体制面の制約
1人体制だとお客様入れ替えのリネン交換やお茶出し、施術中の電話対応なども自分でやらないといけないので、間の段取り時間も長くなりがちです。洗濯や掃除なども全て自分一人で行うことになるので、どうしても個性や癖が出やすく、ムリ-ムダ-ムラが発生しやすくなります。
3.収益の制約
一人体制の9時間稼働だと25日営業で客単価12,000円のミドルアッパー層としても、1日3人×25日×単価12,000円=月商90万円が精一杯の状態になります。
おおよその粗利益80万円から家賃リース代等20万、消耗品他10万、販促費20万で30万円の所得が上がれば、一人サロンとしてはまずまずの利益状態かと思います。
しかし、これを3名体制にしたらどのようになるでしょう?
オーナー+2名の3人体制で運営する場合の上限をみてみましょう
スタッフ2名を雇用している状態を考えてみましょう。このスタッフはオーナーほどではなくてもお客様に役務提供ができるエステティシャンだとします。するとこのような条件になってきます。
1.時間の制約
オーナーの役務提供時間は9時間が限界であるとさきほどご説明しました。これに加えて、エステティシャン2名(8時間勤務+1時間休憩の9時間出勤)が加わることで、稼働時間は9時間から23時間、2.5倍以上に増加します。
2.体制面の制約
3名体制になると、施術の予約時間がぴったりに重ならなければ、互いのリネン交換などの段取り時間や休憩時間の調整なども手際よく行うことができます。電話で問い合わせされたお客様を待たせることもなくなります。従業員の性格や個性、スキルに左右される部分が出てきますが、安定した役務提供ができる状態に近づいていきます。
3.収益の制約
三人体制の9時間稼働だと25日営業で客単価12,000円のミドルアッパー層としても、スタッフ3人×1日3人×25日×単価12,000円=月商270万円が一つの上限になります。
おおよその粗利益230万円から家賃リース代等30万、消耗品他20万、販促費30万で150万円の収益が上がれば、残りを返済と次の投資への貯蓄に回して100万円少々を3人で分け合う状態になります。
業界の賃金水準もありますが、スタッフ給与が25万円×2名としても経営者が50万円以上の役員報酬を安定して受け取れる状態に近づいていきます。
販促費や経費の割合を考えると、ベッド数は多ければ多いほどコスパが良い
ベッド数が1つから2つになると、家賃負担はどのくらいかかるのでしょうか。エステの店舗は、施術ブース+待合室+事務所バックヤードの3つに分かれます。このうち、事務所と待合室の間接スペースは施術ブースが1つだろうと2つだろうと、最低限で必要な部分になります。逆を言うと、施術ブースが2つになっても5つになっても、待合室や事務所が比例して2倍や5倍になる事はありません。
つまり、1つの施術ブース当りの余分な間接スペースの割合は、ブースが増えれば増えるほど、少なくなっていくということです。
同様に、リネンを洗う洗濯機も最低1台は必要ですが施術ブースが二つになっても多少大きな洗濯機を選べば2台分のコストはかかりません。
また、コスト面だけではなく機械を使用したリラクゼーション系の施術を受けてもらいながら別のお客様を対応したり、ネイルやエクステンションを付けて安定させるまでの間に別のお客様を対応することもできるため、売上を伸ばすことにもつながります。
そのため、ベッド数は一定以上あることが有効です。
多すぎると従業員の管理が大変なので、適度な小集団経営がうまくいく
ここまでで、人数が増えれば増えるほど稼働時間が増えることと、 ベッド数が増えれば増えるほどコストパフォーマンスが良くなることをお伝えしました。もう一つ考えなければいけないのが、人間集団の管理は思ったよりも大変だということです。「3人を超えると常に派閥ができてしまう」のが人間社会です。適切な経営スタイルを作ることで上手にチームワークを発揮していきましょう。人間心理をもとにチームワークを考えるときはチームスポーツを軸に考えるとイメージが湧きやすいです。
2~5人の小集団はスピード展開のあるチームワークが発揮しやすい
2名でやるスポーツの代表であるテニスやバトミントン、5名でやるスポーツといえばバスケットボールがあります。それぞれ、目標に向かって即座に反応してスピード感ある展開で全力のサービスを提供する状態に向きます。たとえ同じ目標に向かっても11名で行うサッカーなどはボールを追わずに休憩しているポジションや時間も出てくるため、若干のムダが生じやすいです。
サロン運営でも同様で、3名程度まではリーダーの視野にすべてが入りやすく、無駄のない運営が行えます。
組織全体では11名から15名が管理しやすい
人をマネジメントすることが苦手な経営者様でも、11名(サッカー状態)から15名(ラグビー状態)までは、仕組みさえあれば十分管理することができます。そのため、2〜5名の小集団を組み合わせて10名程度の組織を作ることから始めていきましょう。
小集団を組み合わせることで、Aチーム-Bチーム-Cチームがライバルのように競い合うこともありますし、施術メニューや客層に分けて展開することもできます。もちろん全体としては1つのグループですから販促費のキャンペーン設定や消耗品のロット購入で有利になります。お客様もステージアップやメニューによって使い分ける楽しみも出てくるため、サロングループ全体としての魅力はさらに高まっていきます。
なぜ従業員を雇う必要があるのでしょうか?体力曲線という不都合な真実
ここまでエステサロン業はオーナー1名体制ではなく3名体制や複数店舗体制が好ましいというお話をしてきました。このお話をすると、多くの事業主さまからこういう質問をいただきます。「人の管理は面倒だから自分だけでやっていきたい」ということです。それは今この瞬間は一番ハッピーかもしれませんが、将来を考えたときには危ない考えだと思っています。この体力曲線と収入曲線の関係は、経営判断の基礎として早い段階からよく頭に入れておかれてください。
「人を雇いたくない」というのはなぜ危ないか
人を雇いたくないという考え方は、今この瞬間では一番楽で収益性も高くハッピーかもしれません。しかし、ここでしっかりと考えなければいけないことがあります。それは皆様は明日死ぬわけではなく、これから10年20年30年と人生を生きていくということです。ここでご紹介する体力曲線というグラフはエステサロンや建設業などを実際に身体を動かしてサービスを行って収益を得る業種では特に大切に考えないといけない問題です。
体力曲線と収入曲線を連動させないためにやらなければいけないこと
年を重ねるにつれて体力のピークを意識する年齢があります。体力がピークを過ぎた後にそれに比例して収入が下がってしまうと、豊かな晩年を描くことができなくなります。そうならないために、皆様が得た技術や知識経験を使って後輩のスタッフを育成して稼いでもらう仕組みを作ることが重要なのです。そのために必要なのは特別な管理技術ではありません。確実な仕組みを作り、人間の本能に従った小集団経営を行なっていくのです。
3店舗経営を3年以内に実現するドル箱経営の設計図、ここにあります
このブログでは、最初にエステサロンでは規模が大きくなればなるほど有利であることをお伝えしました。そして、従業員の管理は大変だけれども、人間の本能に従った10名前後の小集団経営を取り入れることで管理がしやすくなることをお伝えしました。弊社ではこの小集団経営を取り入れるにあたり気をつけなければならない様々なルールや移行期間の営業所法などをタイムリーに皆様にお届けすることができます。
まずは適切な経営計画を作り、収益性を高めることが大切です。
>エステサロンの経営計画の作り方
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