実際に事業をスタートすると、一番悩ましいのが集客です。継続的にお客様からお声かけをいただく仕組みを作ることが重要です。もちろん既存の数件の固定客から継続的に仕事をもらえる状態も作れるかも知れません。しかし、例えそうであっても、新規のお客様を自力で取るパターンがあるかどうかは死活問題です。既存客だけだと、意見の違いや価格交渉の面で不利ですし、尻すぼみが待っています。
20の営業パターンを3つのカテゴリーに分けてご紹介します
まずは、アナログ寄り、デジタル寄り、ファン作りの3つのパターンに分けて一気に19のパターンを紹介します。その後で、各施策をどのように使いこなしていくのか、営業パターンの作り方をお話ししていきます。
1.アナログ寄り
まずは直接会って会話をする等のアナログ寄りの営業手法をご紹介します。直接商談をかける機会をどのように作るかがポイントになってきます。
- 直接営業 :対面営業で商談する
- 来店販売 :来社/来店してもらい、売る
- 紹介作戦 :紹介を依頼していく
- アナログ広告 :テレビラジオCM、チラシ看板などの広告
- PR :テレビ、雑誌、新聞などへの出稿
- 変則PR :伝統的なPR広告の媒体だが、内容が奇抜なコピーや写真を活用する
2.デジタル寄りの広告
続いて、スマホやテレワークなどの拡大もあって重要性が高まり続けるデジタル寄りの手法です。こちらは営業というより広告に近いイメージのモノが多いです。
- SNS広告 :Instagram、Twitter、Facebookなどへの広告
- 検索広告 :検索結果の上位の上に広告を出す
- ブログ広告 :他のブログに広告を出す
- SEO広告 :キーワード検索でブログが上位にくるようにする
- アフィリエイト :販売マージン付けて売ってもらう
- webサイト等 :販売サイトで取り扱いを行ってもらう
3.ファンづくり
最後に、ファンのコミュニティを作って、その中から見込み客を生み出していく手法です。こちらになると、企画や運営をどのように行うのか、組織を動かすような手法が多いです。
- 展示会 :出展して露出増やして販路を作る
- 会合主催 :パーティーなどを主催して認知を増やす
- 講演 :講演者として露出を増やす
- コミュニティ作り :好意的な協力者のかたまりを作る
- コンテンツ作戦:ブログでファンを作っていく
- メール作戦 :メールでファンを作っていく
- 共同開発 :相手の商品に自社の得意分野を埋め込む
- ツール作戦 :便利なツールを作って利用者を増やしていく
それぞれの営業手法は奥が深く、改善には重要なノウハウが詰まっています。ただし、それよりももっと大切なことがあります。
営業手法はたくさんあるが、活かしきれない3つの理由
これまで多くのクライアント様に接する中で感じるのが、特定の営業手法にこだわりすぎて自社のステージに合わせて変化していくということが少ないということです。本来であれば、開業直後→1年経過→3年経過・・・と事業が成熟するにつれて営業手法も変化すべきなのです。
1.特定のチャネルに集中してしまい、他の有望なチャネルに気づかない
まずは広い視点で、複数の営業手法を知ることです。先輩経営者に聞いたり、同業の経験、販促会社の営業に情報源を頼ってしまうと、この中の特定の手法だけしか身につかないことになります。
同業者がやっているということはすでに強いライバルがいるということですし、販促会社から営業を受けるということは高い価格のサービスを受けるということになります。
自社に合ったやり方は、自分で作り上げるしかないのです。
2.一番うまくいくチャネルは予測できないため、テストが必要である。
20の営業手法が自社に合うかどうかは、やってみないと分からない部分があります。もちろん新しい営業手法がいきなり期待を超える結果を出すことは稀です。それでも少額で試して適切な効果測定を行いながら複数の手法を試していきましょう。
3.その時点の最良なチャネルは移り変わっていくが、習得しようとしない
世間のブームや情報端末の変化もありますから、最良なチャネルはどんどんと移り変わっていきます。そのため、次々と新しい手法を試し続けるようにしなければなりません。新しいチャネルに最初に飛び込めばライバルも少ないため、先行者利益でドル箱の営業手法になることがあります。
この3つの手法を上手に乗り越えていくために大切なのが、PROS式バードアイ販促会議です。
PROS式バードアイ販促会議で継続的に改善をしましょう
このバードアイ販促会議は、弊社独自のやり方です。準備運動をして、ホップステップジャンプの3ステップでどのような方式で販促を改善していきます。ここでは、実際に行っている方法を公開していきます。
準備運動:再確認
20の営業手法をまとめたスライド資料を見返して20の営業手法を再確認します。すでに取り組みを行っているもの、取りやめたものも出てきますが、それでも今の販促の形がベストなのかを見直すために、販促にはいろいろなやり方があるという視野を広げるために行います。
①ホップ:ブレインストーミングでアイデア出しをする
全てのチャネルについて、自社でやるなら、どんな方法が考えられるか、書き出します。ポストイットや模造紙でワイワイガヤガヤと意見を出していきましょう。
※この段階では可能性を捨てずに出していくことが大切です。
②ステップ:ランキング付けを行う
出てきたアイデアに成功見込みのランク付けを行い、3つ程度をピックアップしましょう。絞り込まれた数個について、「実際にやるとしたらどうするか」を検討していくのです。
③ジャンプ:テストと結果検証、予算の集約を行う
費用対効果の見極めのために最小限の費用と期間で試します。結果検証シートを埋めていき、数か月間の結果をもって時間と予算を集中投下するものを決めていきます。
大切なのは、3ヶ月~半年に1回は定期的にこのプロセスを反復することです。
まとめ
どうしても本業が忙しいと、販促営業がおざなりになりがちです。しかし、開業直後の間もない時期は、「製品サービスの提供・改良」と「販売方法の改良」は50:50の資産を投下してやる価値があることを知ることが大切なのです。
そして、販路に合わせて仕様を微調整することもあるため、製品仕様を固める手前に適切な販路の方法を見出すのが効率的です。そして、測定可能な大きな差があるものをメインチャネルに据えていきましょう。
王道としては、まずはスケールしにいくいけれど直接魅力を伝えることができるアナログな手法の方から初め、商品仕様や販促表現を、人々が求めるものに微修正していく。
人々が望むものが出来たら、どの手法が拡大しやすいのかを見極める。
最終的にスケールした場合に製品が耐えられるかも確認する、という流れです。
一気に拡大を図り、手法で得られる顧客を一気に取得しきるのです。そして定期的に次の手法を検討しましょう。一見、常に新しい手法を試し続けるのはとても大変だと感じられるかもしれません。ただ、使い切ってしまい、効果が低くなった手法を繰り返し続けて成果がでずに嘆く日々よりもはるかによいのではないでしょうか。
事業が伸びるかどうかは適切な時に、適切な市場を選べるかどうかにかかっています。そしてお客様の心は試さなければわかりません。様々な手法を繰り返し試していきましょう。