私ども株式会社ブロスでは税理士事務所とパートナーシップを持ち最短最速で会計数字をまとめ上げ適切な税務申告を行っております。様々な会計事務所がある中で本当に個人事業主の事業を良くするという 観点で作り上げた決算を行っております。
さて個人事業主が事業を行っていく中で重要なのはタイムリーに必要な数字を、出来る限り手間をかけずにまとめ上げるということです。正確な数字を記録するために集計の手間ばかりかかっていても仕方がありません。 本来事業主が行うべきは過去の数字の集計ではなく将来の売上事業を作り上げることだからです。
多くの会計事務所は数字の正確さにこだわればために、本来必要な営業時間を割いてまで集計を丁寧にやってくださいということを言います。
それでは事業のスピードがいつまでたっても上がりません。
大切なのは本業に集中するための時短会計なのです。
実は決算の半分は自動でできます
預金通帳やカード明細を活用することで、決算の約半分は完了するのです。皆さんも聞いたことがあるかもしれませんがクラウド会計のfreeeやマネーフォワードは、個人事業主の時短会計に非常に有効です。上手にネットバンキングやクレジットカードのアカウントに接続できれば決算に必要な登録の半分はほぼ自動で完成します。
半分は自動で出来上がるとは言っても最初の設定がしっかりとできていなければ、残り半分がでたらめになり、結局全体を全て修正することになります。(←これが多くの会計事務所がクラウド会計を嫌がる理由です)
いずれにせよ、まずは最低限重要な5つの帳簿をしっかりとまとめることから始めていきましょう。
5つの帳簿があればサクッと時短会計ができます
先ほど申し上げたように、決算の半分はほぼ自動で出来上がります。そのために一番役に立つのは①預金通帳、次に②現金出納帳、そして③カード明細や請求書レシート綴り、④売上請求と入金一覧表、⑤給料明細、この5点を確実に揃えることです。
もちろん他にも、請求支払状況一覧表や固定資産台帳、車両管理簿、勤怠一覧表など揃えておいた方が後々役に立つ帳簿は色々とあります。しかしまずはこの5点をしっかりと揃えるということから始めていきましょう。これからお伝えするポイントを押さえていただければ、時間はたいしてかかりません。
①預金通帳
時短会計の最高の武器になるのが預金通帳です。しかも第三者(銀行)が、自動で入出金を正確に記録してくれます。これは税務調査などにも、最高の証拠になります。ただし、この完成度を高めるための大切なコツが4点あります。
- 事業専用の口座を作ること
個人的な支払いと相場以上の支払いの区別をはっきりさせるために、事業を開始したら個人事業専用の口座を開設しましょう。開業届などがあれば口座名に屋号をつけることもできます。得意先から売上代金を入金していただく際も、 個人名だけの口座だと不審に思われることもありますし、入金金額の把握がしづらくなります。 例えば事業と関係のない家族や身内とのお金の入出金があっても、知らない人が見たら売上の入金ではないかと誤解することもあります。売上ではない入金を売上と処理してしまうとそこに利益が発生したように見え税金がかけられることもあります。余計な誤解を防ぐためにも、最初から事業と個人の口座は分けておきましょう。 - 通帳から振り込みをすること
一旦現金を引き出して ATM から振り込みをしてしまうと、振込先が残りません。通帳から直接振り込みをすれば、振込相手が自動でカタカナで 記録されます。しっかりとカタカナで記録されていれば半年後1年後でも何月何日にどこに振り込んだのか正確に記録が残りますが、例えば10万円の出金という情報だけが残っていても、どこに振り込んだのかが記録されていなければ後日とても迷うことになります。もし記録が残っていなければ手書きででも記録を残すことが大切です。 - なるべく現金を引き出さないこと
取引先によっては現金で支払いをしなければならないこともあります。その場合もまとめて出金をするのではなくて、 請求書通りの出金をしたりまとめて3万円などを現金金庫に入れて現金出納帳に記録を残すなど、現金の 取り扱いをできるだけ避けるようにしてください。 - 現金売上も極力その日に入金すること
現金売上については税務調査でもよく調べられる項目です。お客さんから売上代金として現金を受け取った場合も、極力その日のうちに通帳にその金額を入金しましょう。そうすれば領収金額がそのまま通帳に入金されるというリズムが出来て行きます。大切なのは領収した金額と同額を入金することです。他の取引先と混ぜてしまったりすると後日調べる時に大変混乱をしてしまいます。
※ 預金通帳については若干手数料がかかることもありますが1取引1入出金を心がけてください。毎日取引先と入出金についての確認が必要になった場合、最終確認で通帳の必要な部分のコピーを見せ合ったりすることもございます。もちろん不要な部分は黒塗りしますが、 請求書の金額と通帳の金額がぴったりと合っていれば疑うようのない支払いや入金の事実確認ができます。
②現金出納帳
近年キャッシュレス化が進み徐々に現金を使うことが減ってくるかもしれませんが、切手の購入など、少額の支出は現金を使うほうが便利なことがあります。ただし現金で支払った場合、領収書やレシートをなくすと何に使ったのかの証明ができないという欠点があります。事務所に小口の金庫を置いている事業者さんはかなり多いと思いますが、ここからお金がなくなっていた場合で領収書やレシートがない状態になると、税務署は事業者が勝手に使ったのではないかという疑いの目で見てきます。そうならないためにも、定期的に現金の残高を確認する、差額は素早く調査する、毎日領収書レシートを紛失した場合は速やかに出金伝票で記録として残しておく、こういった対策を行ってください。
※3万円以上の支出は領収書やレシートなどがないと原則として消費税法上は計上が認められないということもありますが、 よほど紛失の回数が頻繁であったり、不自然な傾向がなければおおむね認められるかと思います。
③カード明細や請求書レシート綴り
クレジットカード明細はカード会社が自動で作成してくれます。そのためできる限り現金払いではなくてカード払いなどを利用するようにしてください。会員サイトにログインすると基本的には13ヵ月以上前まで明細を確認できるサイトが多いかと思います。もしくは郵送されてくるケースもありますが出来る、税務署から求められる保存期間7年間に対応しているかどうかはケースバイケースなので、できる限り自分のパソコンにダウンロードするかファイルに閉じるなどして保存をしてください。
請求書やレシートについては、もし紛失した場合、相手の経理部や総務、本部に連絡して再発行してもらうなど非常に確認の手間がかかりますので、定期的に保管場所に入れるなど紛失しないマイルールを決めてください。定期的に保管場所に入れた後は、一枚一枚ノートに貼り付けるなどせずに月ごとに封筒に入れるなどシンプルな管理でも大丈夫です。
④売上請求と入金一覧表
商品やサービスを納品し売上の請求を行ったとしてもそれで取引が終了ではありません。事業であれば確実に入金になった時に一つの区切りを迎えます。この売上の入金というのは、相手の総務の方が確実に振り込みをしていただかなけばなりません。相手も人間ですので、時折金額を間違ったり、 振込手数料の差し引きなど、細かなズレが生じる事があります。 その場合の認識合わせを丁寧に行っておくことが必要です。時には決まった期日に入金がないこともあります。そのような時にも、残高が1円単位で相手とすり合わせができるような体制を整えておいてください。入金状況の一覧表これを会計用語で売掛帳、もしくは得意先元帳といいますが、 いずれにせよ残高の確認ができる資料を準備するようにしてください。
⑤給料明細
お給料については月末に締めて翌月20日払い、25日払いや、時給計算で即時現金払いなど、事業者によって取り決めが様々だと思います。 いずれにせよ、いわゆる額面金額から所得税や住民税社会保険料や雇用保険など天引きものまで細かな設定が様々あります。これらの記載を残さずに支払い金額から後で計算をし直すということは非常に非効率ですし、揉め事の元になります。
現金渡しの給料明細については相手に渡す金額の確認のサインを貰う、振込の場合も時給計算の確認書にサインをもらうなど、大切な従業員と後で認識のズレが生じないように丁寧な対応をされてください。
また給料明細がないと、毎月もしくは年に2回納める決まりになっている源泉所得税の計算、いわゆる年末調整ができないなど大きな負担になってきますので、丁寧に対応してください。
クラウド会計を使った時短会計のススメ
会計ソフト freee やマネーフォワードを利用されている方は、預金通帳やカード明細と連動することができます。 この連動の設定をしっかりと行なっていれば、自動で8割程度の決算準備が仕上がることになります。もちろん すべてが自動で仕上がるわけではなく、12月31日締め日が祝日だったりタイミングのずれで同じ金額が二重で登録されることもありますので丁寧な確認をしなければなりません。
実際に私も会計freeeの認定アドバイザーではありますが、自動で8割の仕訳が出来上がるとしても、残りの2割、利益計算を左右する重要な仕訳が正しく登録されないことには決算がまとまりません。そのため全てを自分自身で決算することは慣れない方にはかなりハードルが高いと感じます。
まとめ
時短会計を上手に使って、タイムリーに業績を把握していきましょう。そのためには預金通帳や現金出納帳、売上と請求入金一覧表やカード明細、給与明細など必要な帳簿を丁寧にまとめることが大切です。
実際、最低限資料がないとあてずっぽうの決算になってしまいます。 処理に迷った場合や領収書レシートなどは邪魔だと思って捨てずにひとまず保管しておく、こういった週刊を起業して間もないうちから身につけていきましょう。